3時間半の長い映画。
第一部はジョージの幼いころからビートルズの解散まで。
第二部はビートルズ後の活動からジョージの死まで。
私がビートルズに夢中になったのは中学生の時。
もうすでにビートルズは解散していたけれど、レコードが擦り切れるくらいに聴いていた。
ビートルズと言えばジョンとポールがメインだけれど、ジョージがグループの中で果たした役割がとても大きかったことがよくわかる。
そしてギタリストとして、とても尊敬されていたことも。
映画の中で流れるジョージの曲。
知っている曲のなんと多いこと。
そのメロディーが軟らかくて、彼の声と泣きのギターと絡まって、優しかったり切なかったり。
レノン・マッカートニーではない個性がきらりと光っている。
彼自身がいろんな意味で二面性を持っていたことを彼の親しい人たちも語っている。
ビートルズの中の自分という、実在するものと、もうひとつの見えないものの存在との中で、彼は揺れ動いていたのだろうか。
魂の救済をもとめてインドに傾倒していったことも、あの頃ビートルズに夢中だった私には、タダの事象としてしか理解していなかった。
でも、実験的な要素とともに精神的な深さも音楽の中に追求していったことが、ビートルズがただの流行のバンドではなく、長く愛され続ける理由であるようにも思う。
もちろんそこにジョージが深くかかわっている。
私たちは物質世界に住んでいる。
でも、それだけではない何かがあって、そのきらめきに触れたり共鳴したりすることで、私たちに深い喜びがもたらされることもわかっている。
いろんなことに気付きだした今、もう一度丁寧にジョージの曲を聴いて観たい。
ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド